1. 概要
フランス INRIA の Didier Remy 氏が作成した WhizzyTeX のシェルスクリプト部分を Vim から呼び出すためのラッパーシェルスクリプトです.
Vim の autocmd (au) 機能を使って,ファイルの保存時に WhizzyTeX を呼び出すしくみになっています.
WhizzyTeX for Vim は私が勝手に作って公開しているソフトウェアです.本ソフトウェアに関する不具合を WhizzyTeX の作者である Didier Remy 氏に連絡しないようにしてください.
2. 必要なソフトウェア
以下のソフトウェアおよびそれらが動作する環境が必要です.
- Vim
- GNU Bash (let 文を使用しているだけなので,expr に置き換えれば sh で動作するはずです)
- WhizzyTeX
- WhizzyTeX で使用するプレビューア (例えば Active-DVI).
3. ライセンス
Whizzy4Vim (WhizzyTeX for Vim) : Copyright (C) 2007 Yusuke Nakano <pakuchan@pakunet.jp>.
Whizzy4Vim (WhizzyTeX for Vim) は,フリーソフトウェア財団によって発行された GNU 一般公衆利用許諾契約書(バージョン 2 か、希望によってはそれ以降のバージョンのうちどれか)の定める条件の下で再頒布または改変することが可能なフリーソフトウェアです.
このプログラムは全くの無保証です.詳しくはアーカイブファイル中の GNU 一般公衆利用許諾契約書をご覧ください.
4. ダウンロード
最新のバージョンは 0.0.3 です(2007年5月29日現在).
- whizzy4vim-0.0.3.tar.gz (4,929 バイト, ソースファイル)
- whizzy4vim-0.0.2.tar.gz (4,891 バイト, ソースファイル)
5. インストール
アーカイブファイルを展開すると以下のファイルが得られます.
- whizzy4vim.vim
- whizzy4vim
- whizzy4vim_fakelatex
whizzy4vim.vim は ~/.vim/plugin に入れてください.残りの 2 つのファイルはパスの通ったディレクトリに入れてください.これでインストールは完了します.
6. 使用方法
6.1. 基本的な使用方法
- 拡張子が .tex のファイルを開き,保存すると自動的に WhizzyTeX を起動してプレビューします.カーソル移動では何も起こりません.
6.2. 高度な使用方法
- ファイルのどこかに以下のような 1 行を書いておくことで使用するプレビューアが変更できます.ここは WhizzyTeX と同じです.whizzy.sh による変更も可能です.
%; whizzy -initex iniptex -latex platex -format platex -ps gv
- また,ファイルのどこかに以下のような 1 行を書くこともできます.こちらは WhizzyTeX for Vim だけが読み込んで使用します.
% whizzy4vim: (Name)=(Value) (Name)=(Value) ...
現在 (Name) に使用可能な文字列は以下の通りです.
- TEXINPUTS - 右辺を環境変数 TEXINPUTS に設定します.
- ROOT - 編集中のファイルを \input で取り込んでいるファイルを指定します.
この行の設定例を以下に示します.
% whizzy4vim: TEXINPUTS=.:$HOME/.texmf//: ROOT=hoge
また,WhizzyTeX for Vim は暫定的に \input に対応しています (\input のネストには対応していません).
例えば,以下のような 3 個の LaTeX ソースファイル(doc.tex, section.tex, appendix.tex)があったとします.
(doc.tex) \documentclass{jarticle} \begin{document} \input{section.tex} \input{appendix.tex} \end{document}
(section.tex) % whizzy4vim: ROOT=doc \section{Test document} This is a test document.
(appendix.tex) % whizzy4vim: ROOT=doc \appendix \section{Test appendix} This is a test appendix.
doc.tex の \input コマンドで取り込まれる 2 個のファイルに ROOT=doc という指定をしています.これによって,取り込まれる側のファイルを編集した場合でも正しくプレビューができるようになっています.ただし,繰り返しますが,現在のバージョンでは \input の入れ子(この場合,section.tex や appendix.tex でさらに別のファイルを \input している場合)には対応していません.
7. TODO
本家 WhizzyTeX と比べて大多数の機能が未実装です.