hoge diary - September 10, 2006

[TeX関連] powerdot を使ってみる

今までプレゼンテーション用スライドを LaTeX を使って作成するために prosper を用いていましたが,私が新しい発表用のスライドを作るにあたって,それに改良を重ねた powerdot というものを試してみることにしました.

まずは CTAN からダウンロードして,適当な場所に展開します.

(/path/to/powerdot.zip に powerdot のアーカイブファイルがあると仮定)
% cd ~/.texmf/tex/latex/
% unzip /path/to/powerdot.zip

これで ~/.texmf/tex/latex/powerdot 以下に powerdot のスタイルファイルと,スタイルファイルのソースファイル,およびドキュメントが展開されます.私はドキュメントとソースファイルは消しました.

なお,~/.texmf 以下に自分専用の LaTeX 関連ファイルを置く方法についてはユーザ専用の TeX 環境を独自に構築を参照してください.

powerdot を使用するためには,いくつかの依存スタイルファイルをインストールもしくはアップグレードする必要があります.

私の場合,xcolor は Gentoo の portage にありましたので,そちらを使用しました.

% sudo emerge xcolor

後で調べると,xkeyval も portage にあったのですが,当時は気づかず,CTAN のファイルをそのまま手動でインストールしました.今もそのままです.

さて,何か作ってみることにします.試しに以下のものを書いてみました.

\documentclass[size=14pt,orient=landscape,paper=screen,mode=present,display=slides,style=sailor,hlentries,hlsections,fleqn]{powerdot}

\renewcommand{\kanjifamilydefault}{gt}

\title{タイトル}
\author{pakuchan}
\date{September 10, 2006}

\renewcommand{\baselinestretch}{1.3}

\begin{document}
\maketitle

\begin{slide}{最初}
	\begin{itemize}
		\item 1st. \pause
		\item 2nd. \pause
		\item 3rd. \pause
	\end{itemize}
\end{slide}

\begin{slide}{次}
	\begin{itemize}[type=1]
		\item 1st. \pause
		\item 2nd. \pause
		\item 3rd. \pause
	\end{itemize}
\end{slide}

\end{document}

documentclass のオプション部については,powerdot のドキュメントを参照してください.

タイプセットは prosper の時と同様です.

% platex test.tex
(中略)
% dvips -z -f test.dvi
(中略)
% gs -sPAPERSIZE=a4 -dCompatibilityLevel=1.4 -dNOKANJI -q -dNOPAUSE -dBATCH -sDEVICE=pdfwrite "-sOutputFile=test.pdf" -c '.setpdfwrite <</NeverEmbed [/Courier /Courier-Bold /Courier-Oblique /Courier-BoldOblique /Times-Roman /Times-Bold /Times-Italic /Times-BoldItalic /Symbol /ZapfDingbats /Ryumin-Light /GothicBBB-Medium]>> setdistillerparams' -f test.ps
*** unembeddable CIDFont: /GothicBBB-Medium
%

gs に渡すオプションがやたら長いのは,フォント埋め込みをしないようにするためです (私が使っている gs には,taiji さん作成のパッチを適用しています).

ここまでで,prosper の時から変わったと感じたのは... オーバーレイされたスライドを作る際に \overlays を書かなくてよくなったこと (\pause を書くだけでよくなった) と,dvips に用紙サイズのオプションを渡さなくてよくなったことでしょうか.

できあがった PDF ファイルを Adobe Reader 7.0.8 で開いてみると... 結構 prosper との違いがわかります.以下に 3 枚のサンプル画像を示します.

powerdot スライドサンプル 1 ページ目: タイトル「タイトル」, 作成者「pakuchan」, 日付「September 10, 2006」 powerdot スライドサンプル 2 ページ目: スライドタイトル「最初」 powerdot スライドサンプル 5 ページ目: スライドタイトル「次」

左端にナビゲーション用とおぼしき見出しが並んでいることと,type=1 とした itemize 部分のうち,一部が淡色表示されるようになったことでしょうか.見出しはハイパーリンクになっているので,Adobe Reader 上でクリック等のアクションを起こすことで,そのページにジャンプすることができました.

良さそうなので,今回のプレゼンテーションスライドは powerdot で作ってみます.

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